前回の記事で、英語力や英語の質を絵で評価するという画期的な記事を書きました。このようなことを書いた人はかつていなかったと思いますが、こういうことを書くには、普通によくいる英語学習者(英検1級とか、英語のネイティブ・スピーカーなど)のレベルをはるかに超越したレベルでないと書けないからです。

紙の本が出版されていた時代には、「マスコミで取り上げられた人」が英語の達人とか、英語の神様として祭り上げられていました。私も子どもの頃には、それを信じ込み、そういう人たちが、「英語の達人」とか「英語の神様」だと思ったものです。今から思うと、いかに無知だったかと思います。

それが一変したのは、大学に入ってからです。たぶん、よい大学に入るメリットの一つは、そんなところかもしれません。目が開かれます。

上から見ると、眼下に広がる世界が一望できです。小さな子どもが下から見ると、大人がすべて強大な力を持った巨人に見えるものですが、大きな大人になってみると、別に普通のちびばかり・・・に見えるかもしれないというのと同じことです。一般に、能力というのは、上からでないと見通せません。

さて、大学に入って、「マスコミで取り上げられた人」と言うのが、実は「ちんどん屋が宣伝に使った人」に過ぎないことがわかり、さらに英語力が伸びてくると、ネイティブ・スピーカーが文字通りただの「土人」に過ぎないこともわかりました。こうして、英語力とは何かもわかったわけですが、一般人と尺度を共有しなければ、それを伝えることができません。しかし、共通の尺度がありません。

そこで考えたのが絵のうまさです。

前回、英検1級について絵でその実力を表現しましたが、今回は英検の主要な級と、その実力について絵で表現し、説明していきたいと思います。

まず、現在、英検には下の各級があります。

5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級

元々、「準」のついた級はなかったのですが、時代の変化と共に必要になったようです。今後、1級以上の級も作られる可能性がありますが、そういうレベルでは、テストの作成が難しく、いい加減なテストを無理矢理作るしかないだろうと思います。テストについては原始人レベルの認識しかない日本人が相手なら、インチキも可能かもしれません。しかし、それを専門家に指摘されたら、再起不能ですね。英検は非常に普及していますが、最初からきちんとした妥当性の検証が行われたという資料がありません。全く適当なテストです。最初の実施が1963年のようなので、その頃の技術では妥当性の検証は無理だったかもしれません。しかし、1970年頃には可能だったはずです。でも、たぶんやっていないでしょう(笑)。

これって、まるで実験していない薬を市販しているようなものです。怖いですね。怖くない人は、知らぬが仏ということです。

それでも、たとえば、英検1級と聞けば、「あ~、だいたいこのレベルか」とある程度予想がつく状況であるのは幸いです。私は、35年以上にわたり、英検を保持しているたくさんの生徒や講師などの人たちに接してきたので、だいたい英検の級ごとのレベルがわかります。

そこで主要な各級のレベルです。前と同じです。課題は・・・

かわいい女の子の絵

・・・です。

英検4級


引用元

これはいったい何の絵でしょうか?そもそも「絵」ですか?

英検4級とか英検5級ぐらいのレベルでは、実質何もできません。このレベルの人が英語を使うのは非常に危険です。べろんべろんに酔っ払った人が旅客機を操縦するぐらいに危険です。とても危険なのでやめた方がいいし、やめてほしいですね。他の人に大きな迷惑をかけるからです。ネイティブ・スピーカーで言うと、1歳半未満です。だから、よちよちの赤ん坊にお使いなんかさせないでしょう(笑)。言葉なんてまだ話せません。

英検3級


引用元

なんか絵だと言われれば、そう見えなくもありませんが、「もし絵だとしたら、何の絵ですか?」というレベルです。

英検3級でも、実際には何もできません。その辺の看板が多少読めるぐらいでしょうね。たとえば、「STOP」とか「ONE WAY」とか。ネイティブ・スピーカーでは、1歳半から2歳未満ぐらいです。ただ、文字が読めるところだけが優位といえます。大半は、単語ぐらい少しは出てきますが、まるでだめな人もたくさんいるのが1歳半から2歳未満ぐらいです。どんぴしゃですね。また、たとえ話せたとしても、私たち心理言語学者がtelegraphese(電報文)と言っているレベルです。しかも、意味や使い方がめちゃくちゃです。

アヒルや猫を「犬」と呼んでしまうレベルです。「え?」と思うかもしれませんが、子どもを育てたことのあるお母さんなら、みんな経験していることです。世間のみなさんは、こういうのをいちいちお母さんに直してもらって、言葉を覚えていったのです。みんな忘れていますが・・・(笑)。

「子どもに英検3級を受けさせたいのですが・・・」という相談を受けることが多いのですが、こういう絵が描けるようになったのかどうか、お金を払い、時間を費やして調べてもらうということです。

あまりにもむなしいと思いませんか?

私が「馬鹿げているので、やめておいたら?」と言うのは、それが理由です。

英検2級


引用元

ついになんか、「人」の絵に見えなくもない状態になりましたね。胴体がないんですが・・・(笑)。腕もないんですが・・・(笑)。これが人間に見えるというのが、人間の精神のおもしろいところです。

これぐらいのレベルだと、多少基礎力ができてきたので、3級よりもはましにはなっていますが、未だに電報レベルの英語から脱却できていません。しかも、まるで意味が通じません。英語力としては、話にならないので、世間では相手にされません。履歴書には書かない方がいいです。決まり文句を機械的に言うだけなら、指導の下、言えるとは思いますが、相手がそれに応答して話しかけてきたら、お手上げです。

アメリカの大学にいたとき、日本からやってきた学部の留学生の女の子からいきなり相談を受けたことがあります。「なんかパキスタンの人(留学生)から食事に誘われたみたいなんですが、断ってもらえませんか?」と言われました。それぐらい自分で言えないのかと思いました。それにしても、生まれて初めて見る女性に何で面倒を頼まれるのかわかりませんが、アメリカにいたときは、四六時中、ずっとこれでしたね(笑)。

どうもパキスタン人の男と話をしていたら、いつの間にか(笑)、食事に誘われていたらしいのですが、どうやって断ったらいいのかわからない、つまり、断るのに必要な英語の表現を知らないと言うわけです。

で、その男を捕まえました。

私:Hanako says you invited her to dinner. ※Hanakoは仮名。

相手:Oh, yes.

私:She says she can’t go.

相手:All right. (恥ずかしそうに笑う。)

何でこんな簡単なことが言えないのかな?

後に、英検1級の女の子が、私のところに報告に来ました。

寿子(ひさこ):「あの子、英検2級でアメリカに来たらしいよ。本当にあきれるわ。馬鹿なんじゃない。ついて行けるわけがないわよ。」 ※寿子は仮名・・・ではなかったかもしれません(笑)。

「英検1級程度のおまえが言うか。」と思いました(笑)。

これが英検2級のレベルです。

英検2級を受けさせたいという要望も生徒の親からよく聞きますが、こんなレベルの英語力を証明してもらって、何がうれしいのやら、まるで見当がつきません。そんな暇があったら、他にやることはいくらでもあります。

ネイティブ・スピーカーでは3歳ぐらいのレベルかなと思います。たいていは話せますが、そのレベルは3歳レベルです。まともなお話はむりです。「お母さんにしがみついて生きていて下さい。」と言う感じですね。

3歳の子に一人で渡米させた、どこかのお母さんは、よほど大胆な人か、ただの馬鹿です。

英検1級


引用元

ついにちゃんと人間に見える絵になりました。でも、女の子には見えないし、かわいいわけでもありません。しかも、胴体が二つあるし・・・(笑)。腕もありません・・・(笑)。

英検1級の英語は、完璧な英語ではありません。基礎的な文法という側面でも、まだ誤りがたくさんあります。表現力という点ではゼロに近いです。「表現力」という概念自体がないと言うべきでしょう。言えるかどうかと言うレベルです。

表現力というのは、どう言ったら、より正しく伝わるかのかとか、より美しく聞こえるのかと言う問題です。英検1級レベルというのは、ある事柄を言えるかどうかと言うレベルです。

つまり、表現力を云々するレベルでは、ある事柄を言う際にいろいろな言い方を知っていて、その中から適切な言い方を選択したり、さらに新たな工夫を加えることができるということです。英検1級レベルでは、ある事柄を言い表すことができるかどうかのレベルで、選択とか工夫のレベルではありません。

たとえて言えば、引き出しの中に、一着しか服が入っていないか、全く何も入っていないのが英検1級で、引き出しの中に大量に服が入っているのが、表現力を云々するレベルと言うことです。「全か無か」と「あの手、この手」の差です。

実際に英語を使う際にこの差は非常に大きいです。しかも、英検1級の場合、引き出しに入っている服が間違っていたり、不良品だったりする確率が高いです。

袖が片方ついていない。

穴が空いている。

小さすぎて着られない。

せっかくたまたま引き出しに服が入っていても、そんな服ばかりという感じです。

ネイティブ・スピーカーでは5歳から6歳ぐらいに相当する英語力です。読解力は、ちゃんとした教育を受けているネイティブ・スピーカーであれば、小学校1年生や2年生の方が上です。

ネイティブ・スピーカー


引用元

それで、そのネイティブ・スピーカーが大人になると、普通は、こんな英語力になります。

こんなの絵じゃないですよ。

確かに女の子です。手もあるし、足もあるし、胴体もあります。しかし、かわいくないですね。なぜか?それは表現力がないからです。

それに、よく見ると・・・、と言うか、よく見なくても、胴体も、手も、足も、棒になっています。これって間違っていますよね。

ネイティブ・スピーカーの英語は間違っていることが多いです。もちろん、間違っていない英語が使える人もいますが、それはせいぜい1%とか2%とか、そういうレベルです。もっと判定基準を厳しくして、出版レベルの文章が書けるかどうかということなら、0.1%とか0.2%ぐらいでしょう。それは、どちらかというと例外ですよね。

英語のネイティブ・スピーカーで、書く中身はともかく、本を書いたり、英語の教育ができる人というのは、0.1%とか0.2%ぐらいと言うことです。

目指すべき英語力


引用元


引用元


引用元

かわいい女の子の絵というのは、こうやって描くものですよね。ここまで来れば、私と同レベルになったと言えるかもしれません。

正しい学習方法で、英語の勉強を毎日継続していくと、どんどんレベルが上がっていき、いつかはこんなレベルになります。前から言っていることですが・・・

1)正しい学習方法を用いる。

2)継続的に学習をする。休まない、中断しない。

3)大量に学習をする。

たったこれだけのことですが、これをやれる人が1万人に一人もいません。

実は、英語の勉強はこれだけではなく、英語に関する言語学的知識はもちろん、英語圏の文化や歴史も学ぶ必要があります。シェークスピアも読んだことがないなんて、あり得ないことです。

もし教育者になるのなら、さらに、心理学なども勉強しないといけません。しかも、生半可なレベルではなく、指導できる程度にです。言語学者になるのなら、日本語を始め、英語以外の様々な言語に関する言語学的知識も学ばないといけません。英語しか知らないのでは、ろくな学説を出せませんからね。

できれば、地球人類のすべての学問的な知識を習得してほしいものです。それも英語で。日本語でもやっておくとさらにいいです。

しかし、たいていの方は、どれもできていません。だから、英検など受けている暇はないと言うのがわかると思います。

関連ページ:
書く英語の品質や英語力の質を絵で表す