昔、名東高校の生徒を教えていたとき、そのお母さんから電話があり、

「いつも息子の心の支えになって頂き、ありがとうございます。」

・・・と言われたことがありました。

もうずっと昔のことです。今は、彼もれっきとした中年の男性で、きっとしっかり中年太りしているに違いありません。

当時、この生徒は、ハンドボール部に入っていて、毎日部活で忙しく、家に帰ると、疲れて寝てしまい、2時間ぐらい寝た後、ソフィア外語学院に来ていました。記憶によると、確か授業は22時ごろから受けていました。

何かふらふらしていて、危険な感じがする生徒でした。私はよく話をする教師なので、いろいろな話をしたと思いますが、だんだん性格がまともになってきて、しっかりして行ったのだと思います。それで、上記のようなことを言われたのでしょう。たぶん、家庭でも、いろいろ危惧するところが出てきていたに違いありません。

思春期から青年期にかけての子どもの人格の発達は遺伝的な要因で大きな差が出てきます。そこに環境要因が加わって、千差万別の青春を過ごすのですが、たまにふらふらする人も出てきます。

いつも上記の生徒のように上手く行けばいいのですが、そこまでは上手く行かないこともあります。

さすがに30年以上も教えていると、まれに、学校をさぼって、遊ぶような生徒が入学してくることがあります。大抵、ここまでひどい状況だと、根本的に変えることは難しいのですが、それでも・・・

「先生がいろいろな話をしてくれるので、娘がそれを楽しみにして通っています。」

・・・と言われたことがありますが、そのお子さんというのが、どうやら中学校時代は、ほとんど学校に行っていなかったらしいです。

それなのに、ソフィア外語学院にはちゃんと通っているのが、驚きなのかもしれません。

よく考えてみれば、自分の仕事の範疇ではありませんが、学校に行かない生徒をソフィア外語学院に通わせたり、学校に通わせたりするなどということが課題になることがあります。

あるいは、勉強しない生徒に勉強をさせるとか・・・。

常識のない子どもに、常識を教えるとか・・・。

部活をやりすぎて勉強ができない子どもに部活をやめるように勧めるとか・・・。

果てには・・・

寝てばかりいる生徒に寝過ぎない様にさせるとか・・・。

隣の家の犬が死んだと言って泣いて教室に入ってくる生徒を慰めるとか・・・(笑)。

そう言えば、授業中に大量によだれを垂らす高校生の女の子もいましたね。

教育の現場は、本当にいろいろな生徒で満ちあふれています。しかし、長いこと教え続けていると、完全に慣れっこになってしまいます。

どうやってこういう生徒を指導しているかというと、単に思っていることを言っているだけなのですが、たぶん、それが重要なことなのだと思います。

単に思っていることを言うというのは、簡単そうで、実は難しいのです。私の知り合いに、話をするのが上手い人がいて、あまりにもうれしいことを言ってくれるので、絶大な人気があります。

しかし、思っていることを言っているのではなく、心にもないことを相手に合わせて無理して言っているだけです。だから言っていることに中身がなく、影響力はゼロです。つまり、周りの人が彼の言葉により変わると言うことが全くありません。

指導が困難な難しい生徒を指導するには、影響力が最大級のものである必要がありますが、それには思っていることが言えないとだめです。きちんと向き合わないと、何も変わりません。

それでも、洪水のごとくよだれを垂れ流す女の子のよだれを止めるのは難しいです。また、1日12時間以上寝てしまう子を8時間睡眠にするのも難しいです。しかし、糸口はつかむことができるものです。

そこからどうするかは知恵の問題です。

先生にご指導いただくようになってからたいへん落ち着いてきて、テストの勉強も以前より集中して自発的にやっていて驚くと同時に先生に感謝でいっぱいです。ありがとうございます。

・・・と言うメールを昨日もらったので、ふとそんなことを思いました。