先日、自己紹介として、自分の翻訳家としての評価について書きました。その際、こんなことを疑問に思った人がいるかと思います。

翻訳会社による翻訳家の評価はどうなっているのか?

・・・と言う点です。

結論を先に書くと、翻訳会社は、翻訳家の実力が評価できません。翻訳家の実力を評価するのは、翻訳家よりも英語力が高くないとできませんが、翻訳家よりも英語力が高い人が翻訳会社にいません。実力のある翻訳家は、全員、単に登録しているだけで、翻訳会社の「中の人」ではありません。

翻訳会社にも常時雇用している正社員の翻訳家がいることがありますが、その人の方が登録翻訳者よりも実力が上という保証はありません。

実際問題として、英検1級やTOEIC900点程度で英語が書けるわけもなく、TOEIC満点程度でも、まだまだ人の書いた英語の評価はできません。だから、翻訳家の実力を評価するのはとても難しいと言わざるを得ません。

結局、翻訳会社は、翻訳を依頼する依頼者の評価を元に、翻訳家の実力を測っているのが実態です。英語ができない人の評価で翻訳家の実力が測られるというのは、困った問題ですが、仕方のないことです。まあ、そう言う妥当性に欠ける評価であっても、たくさん集まれば、ある程度までは、妥当性が出るのかもしれません。

ただ、私がこの人の能力は怪しいと思った様な場合、評価を綿密に調べていくと、たまにかなり辛辣なコメントが寄せられていることがあるので、気がつく人もいるのだということが分かったりすることがあります。厳密には、そうやって見ていくしかないでしょう。

例えば、下は英語のネイティブ・スピーカーで日本語から英語への翻訳を仕事にしている人の評価です。全体的に見て、かなりよい方だと思います。

しかし、この人の翻訳についてのコメントを見ていくと30ページ目にこんなのがありました。

恐らく、英語のよくわかる人がつけたコメントだと思います。実際どういう翻訳をして、こんなコメントをつけられたのかわかりませんが、私はこの人の翻訳を何度も校正しているので、何か文句を言われていても不思議はないと感じます。

こうやって、細かく見ていくとなるほどと思われることがあるものです。

関連ページ:
翻訳家としての評価