昨日、映画館で『喜望峰の風に乗せて』と言う映画を見ました。この映画はなかなかおもしろい映画でした。しかも実話に基づく映画でした。

時は1968年。歴史上最初となった単独無寄港世界一周ヨットレースに9人が参加しましたが、その内の8人はプロのセーラーでしたが、残る一人はヨットでの航海の経験がないアマチュアでした。この映画は、その初心者で、アマチュアの参加者が、経験を積んだプロに挑み、優勝を目指すと言う映画です。

このアマチュア・セーラーは、トドナルド・クローハーストという人で、船舶の航海に使う電波の方向を探知する機械などを製造、販売する会社の創業社長だったものの、会社が経営難に陥っていたそうです。彼は、このレースに参加し、優勝して、それによる知名度の向上で、経営難を乗り越えようとしたようです。彼は、この航海のために多額の借金をして、優勝しなければ、家や会社を失うと言う状況になっていました。

そこで、必勝を期し、彼はこのレースのために船体の両側に大きなフロートを付けた新しいタイプのヨットを製作し、レースに出場しました。万一、転覆しても復元可能な仕組みを備えていて、いろいろな事態を想定して、準備をしていたことがわかります。まあ、経験のないアマチュアとしては、航海に出て、ヨットが転覆して死ぬことが一番心配だったのに違いありません。

こうしてアマチュア・セーラーのクローハーストは世界初のヨットによる単独世界一周レースに出たわけですが、普通の映画なら、このアマチュア氏がプロの鼻をへし折って、優勝すると言う話になるかと思います。

しかし、現実はそうはなりませんでした。まあ、確かに沖までは出られましたが、すぐに吐いていました。

実際問題、沖まで出るのは怖いです。私は子どもの頃、泳いで沖まで出たことがありましたが、海岸が遠くなったら怖くなって、急いで戻ったことがあります。沖に出ると、海の底がはるか下の方にあって、サメよけの網でも張ってあるかと思ったら、そんなものは全くないし・・・。太平洋に出ると、波が非常に高く、危険であることも知っていました。まあ、小さな子どもがそこまで泳いでいくわけではありませんが、生と死の狭間を体験することは間違いありません。

周囲の人たちは、クローハーストの様なアマチュアでは沖まで出られないと思っていたらしいですが、何とアマチュアでも沖まで出られたのは、すごいことだと思います。

しかし、問題はその後で、クローハーストは、様々なトラブルに直面し、結局、希望岬を回ってインド洋に出ることはできず、イギリス本国に嘘の報告をして、大西洋をぐるっと回って、イギリスに戻ろうとします。一番遅く帰れば、航海日誌を調べられることもなく、実際には世界一周の航海を断念していても、ばれることがありません。

しかし、プロのセーラーは次々と脱落して、すでに帰港に成功した一人を除くと、クローハーストだけになってしまいました。そして、結局、クローハーストは帰国することがありませんでした。インチキをやっていたのがばれるのをおそれて、海に飛び込んだのではないかと言われていますが、とうとう最後まで帰港しませんでした。

結局、アマチュアなんて、命がけで立ち向かっても、プロには到底かなわないということを如実に物語る話になったわけです。

実は、これはどんな分野でも言えることです。教育の分野は、よく素人が口を出してきますが、この話と同じで、みんな全くでたらめばかり言っているに過ぎません。適当に考えて航海に出たら死ぬかもしれないヨットの場合と違い、教育では、口を挟んでも死ぬわけではないので、いい気なものです。

そう言えば、昔、日本人でアメリカに文句を言いに行くとか言って、ドラム缶で筏(いかだ)を作り、東京あたりからアメリカに向かった人がいました。海上保安庁から、危険だからやめるように言われたらしいのですが、それを無視して、太平洋に船出したらしいのです。しかし、八丈島にも到達しないぐらいのところで、断念して、巡視艇に救助されました。

ドラム缶如きでアメリカまで行けるのなら、苦労はありません。太平洋の波の荒さが分かっていないのでしょうね。近所の池ぐらいに思ったのでしょうか?

私の経験でも、やれ単語集だ、やれディクテーションだ、やれシャドーイングだとうるさく言われることがあるのですが、こちらはプロで何十年も研究を重ねているのに、単語集を知らないとでも思っているのでしょうか?素人が考えつくようなことは、全部知っていますよ。

プロと素人の違いについて語る際に私がよく出してくる例は、ホームページ作りです。例えば、ソフィア外語学院のホームページを見ると、いろいろなサイトがあるのに気がつくかと思います。

素人はこの意味が分からないと思いますが、いかがでしょうか?これらのホームページはサブドメインというものを使って、たくさん作ったのですが、それが有効という話が昔あったのです。確か10年ぐらい前のことでしたか・・・。

有効というのは、サイト運営上有効という意味です。それでも分からなかったら、サイト運営のプロにでも聞いてみてください。しかし、この方法が有効だったのは、私がそれを実行する6か月ほど前までの話でした。当時、まだまだ私のサイト運営のノウハウがプロレベルではなかったため、6か月も前のノウハウを使ってしまったわけです。すぐに全く無駄だと分かったので、途中でやめました。おかげで、全部作りかけで放置状態です(笑)。完全に素人だったら、ずっとやっていたかもしれません。

それから、さらに10年が経ち、私のホームページ作りの経験も20年近くになりました。この20年というのは長いです。実際、20年以上ホームページを作っている人なんて、プロを含め、ほぼいません。よって今やプロレベルと言っても良いかと思います。だから、迷うこともないし、まっすぐ進むだけです。

例えば、私ぐらいのレベルになると、鈴木謙一氏が言っていることなど、全部知っています。

教育も同じで、プロレベルになれば、全ての答えを知っています。これこれのことをやると、これこれになるとか、そう言うことは全部知っています。だから、ちゃんと言われたとおりにやった方がいいです。

ソフィア外語学院で大きな成果を上げた人は、全員、私が言ったとおりに実行した人だけです。逆のことをやった人は、全員、死亡しています。薬を飲まずに、毒を飲んだのだから、当然の結果です。

プロと素人は見た目では区別ができないかもしれません。例えば、私と昨日や今日教師になったばかりの人や教育の経験など全くないどこかのおじさんやおばさんを眺めて比べてみても、違いは見えないかもしれません。もしかしたら、ブログを読んでも区別が付かないかもしれません。しかし、プロと素人の差は、常人の想像を超えて、ずっと大きいことを認識した方がいいと思います。

何十年も毎日朝から晩まで研鑽を積んでいる人と、思いつきで適当なことを言っている人が同じであるわけがありません。

全く示唆に富んだ映画でした。