これの続きです。

研修はいくらやってもやり過ぎではない

どんな講師が教えても、普通の講師は、教え方の上手い人から見ると、大変下手です。そうなると、徹底的な研修が必要になります。しかし、研修の実施には前述のような人材的な制約があります。いくら研修をやりたくても、超絶的に教え方の上手い人がその塾にいないのなら、研修のしようがありません。それが大半の塾の現状だと思われます。

しかし、教え方が上手く、教育関係の正式な専門的知識を持った講師がいたとして、いったいどれぐらいの研修ができるのかが問題です。実のところ、現実的には最初に5時間~20時間程度の研修を行うのが精一杯だと思います。そして、その後も、研修を継続できるのかどうかが問題になります。

本当に優秀な人が塾を経営していたり、たまたま優秀な講師が存在する場合、他の講師をいくら研修しても足りません。それぐらいにギャップがあります。また、逆に言えば、それぐらいの違いがないのなら、大した人材ではありません。

例えば、ソフィア外語学院の場合、最初に一日3時間~5時間のスケジュールで、3か月から6か月ぐらいの研修を行います。これを初期研修と呼び、それが終了した後も、毎週、定期研修を行います。実際にはこれでも足りませんが、これ以上やるわけにもいきません。

しかし、これだけの量の研修は、やっているのが私なので、可能です。つまり、塾の経営者や運営者がやるのなら、これぐらいの研修も可能ですが、人を雇って研修を行うと、かなり多額の給与を払わなくてはいけません。果たして生徒さんから頂いた授業料でまかなえるかどうかです。

教育系の人ではない人が塾の経営者や運営者である場合、費用対効果を考えます。この場合、効果というのは利益のことです。いくら研修をやっても、それに応じた利益が出ないのであれば、研修はしません。となると、必要最小限ということになります。

研修をやっている塾は滅多にないかもしれない

必要最小限の研修とはどれぐらいなのか。実はゼロです。私は、学生時代に塾の講師を何度かやったことがありますが、研修をやったところは一つもありません。全国展開していた塾もありまうが、塾のトップが利益のことしか考えていないのが明らかでした。個人の塾でも同じです。トップの経歴は不明でしたが、どうも教育系の人がやっているようには思えませんでした。しかも、どこの塾も、そもそも採用試験自体をやっておらず、今からすると、驚きです。

研修をやっている塾が皆無というわけではありません。少しでも教育内容を改善しようとしているのなら、研修をやるのが当然です。実際、研修をやっていると聞く塾もありました。こちらは個人塾で、まだ生き残っているかどうかは不明です。

実際、英会話スクールでも、イーオンは研修を1週間だけですが、やっていますし、昔あった全国展開の英会話スクールで「バイリンガル」(1994年6月倒産)というところも、量は不明ですが、大阪に新任講師を集めて、研修をやっていました。

バイリンガルの経営者は、教育系かどうかは怪しいですが、英語系の学科を出ていますから、研修なしで教えさせると言うことはあり得なかったのではないかと思います。講師の給料をろくに払えない財政状況だったのに、研修だけはやっていた様です。このスクールは末期の半年ぐらいは、研修後勤務しても、給料を支払っていないのです。

その一方、昔のNOVA(旧NOVAというらしい)は研修なしで教えさせていました。しかも、フランス人など、英語のネイティブ・スピーカーではない人を雇い、生徒には英語のネイティブ・スピーカーと偽って、いきなり教えさせていました。ご存じのように、その後、倒産して、経営主体が変わったので、今のNOVA(新NOVAというらしい)がそう言うことをしているかどうかは知りません。

研修をやっているかどうかは、外部からは知ることができない

研修をやっているのかどうか、ましてどの程度の研修をやっているのかは、外部からはなかなか分かりません。私の場合、同じ英会話スクールなので、人材が流入してきて、元講師の様な人から話を伺うことがあるため分かります。塾の場合も、数はわずかですが、まれに人材の流入がありますので、知っています。しかし、一般の方にはなかなか分からないのではないかという気がします。そう言う状況だからこそ、塾のトップが研修を実施しないわけでもあります。

まあ、ぶっちゃけ、私が授業を見れば、研修をやったかどうか、どれぐらい研修をやったのかは、バレバレですが、直接授業を見る機会は滅多にありません。そもそも、他の英会話スクールや塾と競争しているわけではないので、興味もありませんので、見に行こうとも思わないです。学校の先生なら、見ればある程度分かるかもしれませんが、慣れの程度ぐらいしか判定できないと思います。

採用情報の給与や勤務条件を見て、講師の質を推測する

講師の質を推測する上で、誰にでもできる方法は、待遇を調べることです。どういう勤務条件でいくらの給与をもらっているのか分かれば、講師の質がおおよそ見当がつきます。

私自身が何かを習いに行く場合は、必ずこの方法を取ります。何しろ、自分では判断ができない分野の勉強をするわけなので、十分に講師の質を測ることができません。そうなれば、給与や条件で判断しようという話になります。

音楽系の教室の場合、私が調べた限り、給与はどこも時給制でした。つまりバイトというわけです。別名、非常勤とも言います。そして、その時給ですが、安いところで、下は時給800円ぐらいから、上は3500円ぐらいです。良いところは間違いなく時給が高く、生徒が払う授業料もずいぶん高いです。ちなみに、生徒の払う授業料の約50%から30%ぐらいが講師の時給です。

教室経営の分かっている私からすると、これは全然ぼったくりではありません。3500円の時給でも安すぎます。普通に、これでは生活できません。800円なんてあり得ない時給です。教えるのは、かなり疲れるので、一日3時間から、せいぜい4時間が限度です。いったい月にいくらの収入になっているのか、大体推測できます。

私が見れば、設備やスタッフの状況などから、人件費以外の運営費も推測できますので、60分で1万円ぐらいの授業料でも当たり前だとわかります。しかし、このぐらいの授業料でないと、音大卒の講師が雇えないのも事実だろうと思います。逆に、これ以下だと、音大卒はまばらか、皆無にならざるを得ません。音大卒かどうかは、私なら顔を見れば、瞬時に分かります。

そうすると、音楽関係の教室の場合、60分あたりの授業料がおおむね1万円前後以上のところでないと、危ないと言うことがわかると思います。しかし、あくまでも、これはその教室がひどい詐欺ではない場合に限ります。

目立たないところをチェックする

はっきり言って、音楽教室も、詐欺ばかりなので、ひどいものですが、これは、もはや、あきらめるしかありません。そこで、どの程度良心的な運営をしているのかが問題になります。まあ、設備を見て、判断するしかありません。誰も注目しない様なところで、教育上、重要なところにお金をかけているかどうかです。例えば、オーディオ機器とか。

後は、事務手続きや規則がどれぐらい練られているのかとかですね。あまりにも簡素だと、何かおかしいと思った方がいいです。もちろん、手続きや規則などがどうなっているのかという面は、個人教室には当てはまりません。

塾も似たようなものです。誰も注目しない、つまり、利益に関係のない部分によく注目すると、そこの体質が見えてきます。例えば、英語を習いに行く教室に高価なオーディオ機器を期待しますか?普通の教室なら、1000円か2000円程度の安いCDラジカセを置いているだけです。これは良心的ではなく、詐欺臭いと思った方がいいです。なぜなら、発音の勉強をさせるのなら、よいオーディオ機器を使わないといけないからです。実際、音楽教室よりも高価なものがほしいです。

例えば、ソフィア外語学院の場合、オーディオ機器はめいっぱい高価なものを使っています。アンプ(音を大きくする機械)だけで、8万円から15万円ぐらいします。しかも、音質的には20万円以上に相当するものを慎重に選んでいます。スピーカーもそれぐらいの価格帯です。プレーヤーは5万円クラスです。そして、何と接続ケーブルは1メートル当たり1万円クラスのものを使っていたりします。全部で1万円の接続ケーブルではありません。2メートルのものを2本使うと、合計4メートルですから、4万円というわけです。さすがに接続ケーブルまで気をつける人はいないはずです。

1000円や2000円ですむところを、いったいいくらかけているのか、と言う話です。こういうところに注目すると、塾や教室の体質が分かります。

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失敗しない正しい塾の選び方(4)